8月のシークレットセミナー「授乳」

レポート

今月のシークレットセミナーのテーマは「授乳」

テーマを「母乳」ではなく「授乳」としたのは母乳栄養にとらわれず、母乳がいい、ミルクがよくないという視点ではなくどれも全て必要な「赤ちゃんの栄養・食事」として捉えたかったから。

クリニックで勤務していても地域でママと関わっていても、産後のママにとって「授乳」って一番サポートが必要なことだなーと感じています。

Drや他職種(保健師、保育士など)と授乳について温度差を感じたり、方向性の違いに戸惑う経験をされた人も多いと思います。もちろん同じ助産師同士でも関わり方も考え方も違います。そこは自分の持っているスキルも知識も経験も一人ひとり違うからだと思います。

今月はまず事例検討や母乳育児についてのテーマで、最初の1時間みんなでディスカッション!

勤務する場所も経験も考え方もみんなそれぞれ。

だからこそ、誰かの意見に新たな発見があったり視野が広がったりするんですよね。毎回、盛り上がります!

みんな楽しそう!そして真剣です!

セミナーの後半は辺見先生からの講義。母乳育児に対するDr.の本音、母乳に関わる様々なDr.のお話、そして乳がんについてお話してくださいました。

そもそもDr.ってどういう母乳教育を受けているんだろう? どうかかわろうと思ってるんだろう?母乳はいいと思ってるんだろうか? 私たち助産師が持っている素朴な疑問です。

辺見先生が、ズバリ答えてくださいました!笑

「正直、すいません、わかりません!興味ありません!というのがぶっちゃけ大多数ではないかと思います(笑)」

母乳について、いいとは知っていてもそれだけで、母乳ケアについての授業を学生時代に受けた記憶もないし、医師になってからも勉強したこともなかったそうです。(もちろん母乳に熱心なDr.もいらっしゃいます)先生ご自身が出産し授乳してみて初めて分かったこともたくさんあると。

ほんとに、いつも本音で語ってくださる辺見先生、大好きです♡♡♡

そんなDr.の本音が聞けて、やっぱり(笑)なんだかすっきりしたー!というみんなの意見が多かったです。

でも、だからこそ、母乳育児ケアや授乳に対するケアは、より私たち助産師が専門性を発揮できる場面だと思うんです!

2016年に厚生労働省から発表された母乳育児に関するデータでは、2005年と2015年の10年間で産後1ヶ月、3ヶ月時点での完全母乳率は上がっているそうです。

そこにはきっと様々な理由があり、母乳育児の利点がママや社会に浸透してきたこと以外に、母児同室や早期母子接触が積極的にされるようになったり、退院後も産後ケアなど地域でのサポート体制が増えたりと、母乳育児に関わる施設や人の知識や技術が向上したこと、変わってきたことも挙げられると思います。

それでも現場にいるとトラブルや様々なケースに対応できず、「まだまだ・・・」と思い知らされることが多々あります。

また罹患率が増加している「乳がん」についてのお話。

日本人の多くが高濃度乳腺で授乳中も高濃度乳腺。乳がんの検診といえばマンモグラフィーやエコーだけれど、どちらにも得意不得意があって、実は、乳がん発見される半分以上が自己発見なんだそうです!

日ごろからセルフチェックしている人が乳房のしこりにきづいた場合、約2㎝で気づくのに対し、セルフチェックせずに気づいた場合は3㎝以上が多いというデータもあります。 腫瘍径が2㎝以下で、リンパ節転移やほかの臓器に転移がない場合、治療成績はよく、90%以上治癒するといわれています。

つまり、日頃の(妊娠前からの)セルフチェックが重要とういうことなんですね!

母乳育児支援、授乳ケア、おっぱい・・・ってすごく奥深いですよね。

ママにとって何が今、一番必要なのかそのニーズを見極めること、ママの気持ちに寄り添うこと、そして適切なケアを行うこと。

そのためにはママとのコミュニケーションと信頼関係が必要。

ママだけでなく、Dr.やスタッフ間のコミュニケーションや連携も必要!お産をサポートし、産後に関わるDr.と助産師はワンチーム、そのなかでそれぞれの役割があると思うんです。

乳房(おっぱい)そして産後、授乳をする母子の一番近くにいることができる助産師一人ひとりがより知識も技術も高めていくことが必要だと改めて感じました。

そしてこれは地域にいて、私が感じていること。

母乳育児のはじまりには力を入れるけど、母乳育児のおわり、つまり断乳や卒乳をどうしていいかわからない、困っているママによく出会うんです。

おっぱいとバイバイする時のママへのサポートやケア、その後の自己検診含むおっぱいのケアもしっかりと行なっていきたいなあと。

授乳をする時期って限られています。その時期が授乳をするママや赤ちゃんにとって、安心して授乳ができ幸せな時であってほしいと願っています。

そのために私たち助産師ができること。それぞれの施設で、自分が何ができるのか?を来月までの宿題にしました。

来月のシークレットセミナーも楽しみです!

 

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じょさんし大学レポート
じょさんし大学での学びをここに公開☆
〈みのおママの学校のウェブサイト〉
http://www.minomama.com
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